AmoriのAI実験室Amori’s AI Lab
資料・データ分析

ClaudeでExcelを分析する 集計とグラフを作って検算する

ClaudeでExcelの月別売上を集計し、グラフの単位と数値を検算する方法。公式Claude for Excelとファイル添付の違い、300行の架空CSV、独立集計値を掲載します。

編集:AmoriのAI実験室公式資料・独立検算済み教材
表データから集計とグラフを作るイメージ
記事のテーマを表したAI生成イラストです。

ClaudeでExcel(.xlsx)やCSVの売上表を分析するときは、最初に「チャットへのファイル添付」か「Excel内アドイン」かを選び、欠損や返品の集計条件を明示して出力結果をExcel関数で検算します。まずは300行の練習用CSVを使って月別・商品別の売上集計とグラフ作成を依頼し、3か月純売上合計(1,059,600円)まで一致するか確かめましょう。

  • 最初に試す手順と到達点:①利用経路(チャット添付/公式Claude for Excel)を選ぶ → ②欠損除外・返品控除の条件付きプロンプトで月別・商品別集計を出力する → ③縦軸の単位(円・0円起点)と母数を固定してグラフ化する → ④Excel側の別計算と照合して1円単位の一致を確認する

※本記事はAnthropic公式ヘルプ(2026年10月29日確認)にもとづく手順と、検算用のサンプル教材(sales-300.csv / expected.json)をまとめたガイドです。執筆時点でClaude実機でのファイル生成・分析操作は未検証であり、教材データと基準集計値は編集側が作成・算出したものです(Claudeの出力結果ではありません)。

どの使い方を選ぶか整理する

ClaudeでExcelデータを扱う経路には、チャット画面にファイルを添付して分析・ファイル生成を行う方法と、公式のClaude for ExcelをExcelアプリ内で直接使う方法の2つがあります。作業目的に合わせてどちらで進めるかを先に決めます。

ファイルを渡す方法とExcel内連携の違い

ClaudeのWeb版・デスクトップ版・モバイル版では、会話に .xlsx や .csv を添付して読み取りや集計を依頼できます。公式ヘルプ Create and edit files with Claude のとおり、会話内のコード実行機能(ファイル作成・編集機能)が有効な環境では、集計表やグラフを含む .xlsx を生成してダウンロードできます(無料プランを含むWeb・デスクトップ・モバイル向けに提供されていますが、アカウント状態やTeam・Enterprise等の管理者設定で利用可否が異なります)。

一方、Anthropic公式の Claude for Excel(Claude for Microsoft 365) は、開いているExcel内でセルへの質問や数式・モデルの編集を行うアドインです。2026年10月29日確認の公式案内では有料Claudeプランで一般提供され、Claudeアカウントでのサインインまたは対応する既存クラウド環境での接続が案内されています(第三者製の「Claude連携」アドインとは区別してください。本稿では公式アドインの実機操作は未検証です)。

確認項目 チャット画面へのファイル添付・生成 公式Claude for Excel
操作する場所 ClaudeのWeb・デスクトップ・モバイル画面 Microsoft Excelのシート・リボン・作業ウィンドウ内
データの渡し方 .xlsx や .csv などのファイルを会話に添付する 開いているシートや選択範囲をアドイン経由で送信する
出力の受け取り方 会話内の表・グラフ表示、または生成された .xlsx / .csv のダウンロード セルへの数式・テキスト出力、または作業ウィンドウへの回答表示
利用条件の確認先 Claudeのアカウント設定および会話画面のファイル作成設定 対応するExcel環境、公式アドインの導入権限、有料Claudeプランまたは対応クラウド経由の接続、組織設定
向いている作業 元ファイルを壊さずに別ブックとして月別集計表やグラフ一式を作りたいとき 既存シートの特定セルに関数案を入れたり、選択範囲をその場で確認したいとき

添付できる形式や容量・件数の上限は Upload files to Claude で確認してください。社内データを扱う際は、個人情報や機密情報のアップロード可否を勤務先の規定とClaude側のデータ設定で事前に確認します。

分析する表を準備する

ファイルを渡す前に「数量の空欄は除外する」「マイナス数量は返品として売上から差し引く」といった例外データの処理ルールを決めておきます。条件を伝えずにファイルだけ渡すと、空欄を0件として母数に含めたり、マイナス行を異常値として除外したりするズレが起きやすくなります。

練習用サンプルデータ(CSV)と基準値

手元で試せるよう、編集側で作成した300行の架空売上データ(Excelでそのまま開けるCSV形式)と、Node.jsスクリプトで算出した検算用基準値を用意しました。

列の定義と欠損・返品・重複の扱い

sales-300.csv には2026年1月〜3月(各月100行、計300行)の取引明細が入っています。各列の定義と集計ルールは以下のとおりです。

列名 内容とデータ形式 分析前に決めておくルール
id 取引ID(S001〜S300) 重複IDがないか確認する(サンプルは300件すべて一意)
date 取引日(YYYY-MM-DD 形式) 対象期間が 2026-01-01〜2026-03-31 に収まっているか確認する
product 商品名(Bag, Mug, Notebook の3種) 表記ゆれ(大文字・小文字や余分な空白)がないか確認する
quantity 数量(整数、一部に空欄と負の値あり) 空欄(欠損)は売上計算から除外し件数を別掲。負の値は返品として売上・数量から控除
unit_price 単価(円:Bag 2400、Mug 1200、Notebook 600) 通貨単位は「円」。税込・税抜の換算は行わず quantity × unit_price を純売上とする

実務のExcel表を渡す場合も、1行目が見出し行だけの単一表になっているか、途中に小計行や結合セルが混ざっていないかを先に点検します。

集計条件を指示する

ClaudeでExcelやCSVの月別売上を集計するときは、欠損行と返品行の扱い、求める表の粒度(月別・商品別)、**検算用の計算過程(使用した式やフィルタ条件)**の3点をセットで指定します。以下のプロンプトをコピーし、sales-300.csv(または手元のファイル)を添付して実行してください。

添付した売上データ(sales-300.csv)を読み取り、以下の条件で月別および商品別の集計表を作成してください。
会話内でExcelファイル(.xlsx)を生成できる場合は、集計表と検算用の内訳シートを含むExcelファイルも出力してください。

【データの前提と集計ルール】
1. 列の構成:id(取引ID)、date(YYYY-MM-DD)、product(商品名)、quantity(数量)、unit_price(単価・円)
2. 対象期間:2026年1月〜2026年3月(date列から「YYYY-MM」単位で月を判定)
3. 欠損値の扱い:quantity(数量)が空欄の行は売上計算から除外し、除外した欠損件数を全体および月別で別掲してください。
4. 返品の扱い:quantityが負の値(マイナス)の行は「返品」です。異常値として除外せず、各行の「quantity × unit_price」をそのまま合算して純売上(ネット売上)を計算してください。あわせて返品行の件数も別掲してください。
5. 重複と税計算:idの重複有無を確認し、税込・税抜の変換は行わず「円」単位のまま集計してください。

【出力してほしい内容】
1. 全体サマリー表(総行数、数量欠損行数、有効行数、返品行数、純売上合計)
2. 月別集計表(2026-01、2026-02、2026-03ごとの総行数、欠損行数、有効行数、返品行数、純売上)
3. 商品別集計表(Bag、Mug、Notebookごとの有効行数、返品行数、純数量合計、総売上[正の数量のみ]、返品金額[負の数量のみ]、純売上)
4. 月別×商品別の純売上クロス集計表
5. 検算メモ:どの条件で行を除外・集計したか、Excel上で同じ結果を再現するための関数(SUMIFSやFILTERなど)またはピボットテーブルの設定手順を明記してください。

使用した処理と数式を残してもらう理由

集計結果の数値だけを出力させると、金額がずれたときに原因を追えません。プロンプトの5番目のように除外条件と再現用のExcel関数(SUMIFS など)を併記させると、返品行のプラス誤加算や欠損行の混入をすぐ特定できます。

グラフを作る

集計表に続いてグラフを作らせる際は、「元表は円単位なのにグラフの縦軸が千円・万円になって桁が合わない」「返品控除前の総売上と純売上が混ざる」「総件数と有効件数の母数がずれる」といった不一致を防ぐため、軸の単位と母数をプロンプトで固定します。

比較対象に合う種類を選び、軸・単位・母数を固定する

  • 月別の純売上推移:集合縦棒グラフまたは折れ線グラフ(横軸:2026-01〜2026-03、縦軸:純売上[単位:円、0円起点])
  • 月ごとの商品別内訳:積み上げ縦棒グラフまたは商品別の集合縦棒グラフ(系列:Bag / Mug / Notebook、各月合計が月別純売上と一致することを確認)
  • 構成比(割合):円グラフや100%積み上げ棒グラフを使う場合は、母数が「有効283行の純売上合計(1,059,600円)」か「特定月の純売上」かをタイトル・注記に明記させる

以下のプロンプトで、単位と母数を固定したグラフ作成を依頼します。

先ほど作成した集計結果をもとに、以下の条件でグラフを作成してください(Excelファイルを出力する場合はシート内にグラフまたはグラフ作成用の整形済みデータ表を配置してください)。

【グラフの指定】
1. グラフの種類:月別×商品別の積み上げ縦棒グラフ(または月別純売上の縦棒グラフ)
2. 横軸(X軸):対象月(2026-01、2026-02、2026-03)
3. 縦軸(Y軸):純売上金額(単位は「円」とし、勝手に千円・万円や別通貨へ換算しないこと。最小値は0円から開始すること)
4. 母数と集計対象の明記:グラフのタイトルまたは注記に「対象:2026年1〜3月 有効データ283件(欠損17件除外・返品22件控除後)」と記載すること
5. 整合性チェック:グラフの各棒が示す値(および月別合計)が、先ほどの月別集計表・クロス集計表の純売上と1円単位まで一致しているか確認し、グラフの元になった数値テーブルを併記してください。

グラフの単位や値がおかしいときの確認ポイント

生成されたグラフの単位が違うときや数値に違和感がある場合は、次の4点を元表と照合します。

  1. 軸の単位と桁数:元表が 362,400(円)なのに軸ラベルが 36.2 や 362 になっていないか。単位省略(千円など)がある場合は軸ラベルに明記されているか。
  2. 縦軸の最小値(ベースライン):棒グラフの縦軸が 300,000円 途中から始まり、1月(362,400円)と3月(346,800円)の差が過大に見えていないか。
  3. 返品(マイナス値)の反映:返品控除前のグロス売上(1,090,200円)をプロットしていないか。
  4. 母数の記載:件数や平均単価を出す場合、分母が総行数(300行)か有効行数(283行)か区別されているか。

出力ファイルを検算する

出力された集計表や .xlsx ファイルは、そのまま資料へ転記せず、基準値またはExcel側の別計算と照合します。

教材データ(sales-300.csv)の基準集計値と照合表

sales-300.csv を編集側で集計した確定値(expected.json)は以下のとおりです。

1. 全体サマリーと月別集計の基準値

区分 総行数 数量欠損行数 有効行数 返品行数(負の数量) 純売上(円)
2026-01 100 5 95 7 362,400
2026-02 100 6 94 8 350,400
2026-03 100 6 94 7 346,800
3か月合計 300 17 283 22 1,059,600

2. 商品別集計および月別クロス集計の基準値

商品名 単価(円) 有効行数 返品行数 純数量合計 総売上(正の数量のみ・円) 返品金額(円) 純売上合計(円) 2026-01純売上 2026-02純売上 2026-03純売上
Bag 2,400 95 7 254 626,400 -16,800 609,600 211,200 196,800 201,600
Mug 1,200 94 8 248 307,200 -9,600 297,600 99,600 105,600 92,400
Notebook 600 94 7 254 156,600 -4,200 152,400 51,600 48,000 52,800
合計 — 283 22 756 1,090,200 -30,600 1,059,600 362,400 350,400 346,800

Excel側で素早く別計算して突き合わせる手順

手元のExcelで以下の5項目を別計算し、AIの出力値と突き合わせます。

  1. 総行数と欠損行数の和:データ行300行に対し、=COUNTBLANK(D2:D301)(数量欠損)が 17、=COUNT(D2:D301)(有効行数)が 283 で、17 + 283 = 300 になるか。
  2. 返品行数の確認:=COUNTIF(D2:D301, "<0") が 22 件になるか。有効行数が 261(283 - 22)になっていた場合は、返品行まで誤って除外しています。
  3. 純売上合計の一致:=SUMPRODUCT(D2:D301, E2:E301)(またはF列に =IF(D2="", 0, D2*E2) を入れて =SUM(F2:F301))が 1,059,600 円になるか。1,090,200 円なら返品分(-30,600 円)の未控除、1,120,800 円なら返品の絶対値がプラス加算されています。
  4. タテ計とヨコ計のクロスチェック:月別純売上の3か月合計(362,400 + 350,400 + 346,800)と、商品別純売上の3商品合計(609,600 + 297,600 + 152,400)がともに 1,059,600 円で一致するか。
  5. 生成された .xlsx 内の数式と参照範囲の点検:出力されたExcelブックの数式バーで、集計セルに数式が入っているか値貼り付けかを確認し、数式の場合は最終行(301行目)まで参照範囲に含まれているかをチェックします。

再実行できる形で保存する

翌月以降も同じ月次集計を繰り返す場合は、「入力データの列構成」「プロンプト」「検算チェック項目」の3点を揃えて保存します。

  • 入力ファイルの命名と列固定:sales_2026-01_to_03_raw.csv のように対象期間と元データ(raw)をファイル名に入れ、列順(id, date, product, quantity, unit_price)を固定する。
  • プロンプトのテンプレート化:「対象期間:2026年1月〜2026年3月」の箇所だけを差し替え項目として保存する。
  • 更新月追加時の過去月チェック:4月分を追加した際は、1月〜3月の確定値(362,400円 / 350,400円 / 346,800円)が前回から変わっていないかを最初に確認する。

汎用AIごとの表集計や資料読解の比較は ChatGPTとGeminiとClaudeを比較 仕事の用途で選ぶ、プロンプトの条件整理は ChatGPTプロンプトの書き方 目的と条件を整理して回答を直す を参照してください。

今回の到達点

次の3点が確認できれば、Claudeを使った売上集計・グラフ作成と検算は完了です。

  • 欠損行(17件)の除外と返品行(22件)の控除が反映され、有効283件の純売上合計が 1,059,600円(月別:362,400円 / 350,400円 / 346,800円)で一致した
  • グラフの縦軸が「円(0円起点)」で表示され、対象母数(有効283件)と各月の棒の値が集計表と一致した
  • 翌月以降も再現できるよう、使用したプロンプトとExcel側の検算式をセットで控えた

よくある質問(FAQ)

Q1. ClaudeにExcelファイルを直接渡して分析できますか?

チャット画面から .xlsx や .csv を添付して集計やグラフ作成を依頼できます。Create and edit files with Claude に記載のファイル作成・編集機能(コード実行機能)が有効な環境では、集計表やグラフを入れた新しい .xlsx を生成してダウンロード可能です。対応形式やサイズ上限は Upload files to Claude で確認してください。

Q2. チャット画面へのファイル添付と、Excel内で使う連携機能は何が違いますか?

チャット画面へのファイル添付は、Web・デスクトップ・モバイルアプリにファイルをアップロードし、会話内で分析や別ファイル生成を行う機能です。一方、公式Claude for Excelは開いているExcelブックを直接扱うアドインで、公式のMicrosoft 365向け導入先から設定し、Claudeアカウントまたは対応クラウド経由で接続します。既存のシートを書き換えずに集計表や検算用ブックを作りたい場合は、まずチャット画面でのファイル添付から試せます。

Q3. Claudeが作ったグラフが正しいかどうかはどう確認すればよいですか?

グラフの元になった集計表の数値を一緒に出力させ、次の3点を確認してください。

  1. 軸の単位と起点:縦軸の単位が元表と同じ「円」で、棒グラフの起点が0円になっているか。
  2. 母数と除外条件:欠損(17件)除外・返品(22件)控除後の「有効283件の純売上」がプロットされているか。
  3. 合計値の一致:月別合計や全体合計が、Excelの SUMPRODUCT 等で別計算した基準値(1,059,600円)と1円単位まで一致しているか。

出典・参考資料

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本文執筆:agy / 確認・編集:制作担当

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